「長男をADHDだと確定させていいの?」
という不安と、
「今の状況の理由が知りたい」という焦り。
そんな葛藤の中でたどり着いたのが、
児童発達の現場でよく使われる知能検査「WISC(ウィスク)」でした。
期待と不安が入り混じった検査当日。
そして1ヶ月後、目の前に出された「数値」という名の現実。
今回は、検査を通して見えてきた
長男の得意と苦手、そして「グレーゾーン」という言葉の裏にある、当時の私の正直な気持ち
を綴ります。
WISC検査当日。扉の向こうで願っていたこと
WISCは、心理士さんと長男の二人きりで行われました。
ドアの外で待つ時間は、意外なほど長く、そして静か。
「嫌になって泣いていないかな?」
「ちゃんと答えられているかな?」
不安をよそに、戻ってきた長男は「楽しかった!」とケロッとした様子。
その屈託のない笑顔に、まずは「受けてよかった」と
少しだけ肩の荷が下りたのを覚えています。
数値と「曖昧な言葉」の狭間で
1ヶ月後、手渡された結果表。
心理士さんからは、
「差が22以上あると凹凸(おうとつ)があると言われるが、そこまでの差ではない」
という説明を受けました。
「定型発達の範囲内」
「何もないわけではないけれど……」
そんな曖昧な表現に、私は戸惑いました。
「じゃあ、この困りごとは何?」
「診断はつかないの?」
はっきりした答え(白黒)が欲しかった私にとって、
その結果は新たな「グレーの霧」の中に放り込まれたような感覚でした。
それでも、「数値」が私にくれたもの
はっきりした「病名」がついたわけではありません。
でも、WISCを受けて得られた最大の収穫は、
長男の得意と苦手に「数値」という輪郭がついたことでした。
「なんとなく不器用」ではなく、
「視覚情報の処理は得意だけど、短期的な記憶は少し苦手」といった具合に。
これまで感じていた「小さな違和感」の正体が、
グラフとして目に見える形になった。
それは、「育て方のせいじゃない、この子の特性なんだ」と、
自分を許せる材料にもなりました。
余談:不謹慎だけど「面白かった」検査結果
不謹慎かもしれませんが、検査内容の詳細を聞いている時、
内心「すごい、これ長男そのものじゃん!」と、心理テストの結果を見ているような
面白さを感じている自分がいました。
「私も受けてみたいな(笑)」なんて思えるくらいの心の余裕が、
検査を通じて生まれたのかもしれません。
まとめ|「現在地」を知ることが、最初の一歩
WISCの結果は、魔法の杖ではありません。
それを知ったからといって、明日から忘れ物がゼロになるわけでも、
友達との衝突がなくなるわけでもありません。
でも、「わが子の現在地」を客観的に知ることは、
母としての生存戦略における大きな武器になります。
「理由がわからない困りごと」が、「対策ができる特性」に変わる。
その一歩を踏み出したことで、私の心は少しずつ、次のステップへと向かっていきました。



