長男は変わらない
WISCを受けて、結果を聞けば何かが変わる。
正直、どこかでそう期待していました。
でも、長男は何も変わりません。
当たり前なんです。
昨日が今日になっただけ。
検査結果が出たからといって、「長男そのもの」が変わるわけではありません。
ただ──
私の見方は、確実に変わりました。
「なんでできないの?」が少し減った
長男の得意と苦手が、数値としてはっきりしました。
今まで
「なんでできないの?」
と感じていたことが、
「特性上、難しいんだ」
と理解できるようになった。
だからといって、イライラがゼロになったわけではありません。
WISCを受けたのは数年前ですが、今でも「なんで?!」と思うことはあります。
理由が分かっても、
対策しても行動できない場面はある。
それでも──
「できない理由」が分かったことは、
私の気持ちをかなり軽くしました。
怒りの矛先が、長男本人ではなくなったからです。
夫の理解が進んだ
書面で「検査結果」として出たことも大きな変化でした。
夫はおそらく長男と似た特性を持っています。
けれど、私たちが育った時代は発達障害という言葉が今ほど一般的ではありませんでした。
多少の困りごとはあっても、
大学を出て
就職して
結婚して
家を建てて
子どもを育てている
それだけで「立派に育った」と言える。
だからこそ夫は、
「俺もこんな感じだったけど今こうしてる。何が問題?」
「男なんてそんなもんだろ」
というスタンスでした。
何度も「時代が違う」「あなたは成功例」「二次障害がなかっただけ」と話し合い、
そして検査を受け、結果を目で見て。
やっと、
「長男には支援が必要かもしれない」
「今までの育てにくさは特性の影響かもしれない」
そう思ってくれたように感じます。
これは本当に大きな一歩でした。
夫の言葉や関わり方が、少しずつ変わったからです。
義実家との共有
義実家はもともと話を聞いてくれていました。
ただ、長男が荒れたり癇癪が強かったりすると、どう対応すればいいのか分からない。
それは当然です。みんな素人ですから。
でも検査結果があったことで、
「宿題を嫌がるのはワーキングメモリの影響かも?」
「こういう対応がいいらしい」
と、方向性を共有できるようになりました。
感情論ではなく、材料がある。
それだけで空気が変わります。
学校との連携がスムーズになった
これが一番大きかったかもしれません。
学校にはWISCの結果と、心理士の解説書類を提出しました。
今の学校は合理的配慮が必要とされています。
(自治体によって差はあるかもしれませんが)
書類があることで、
なぜ難しいのか どういう特性があるのか どんな配慮が必要か
を具体的に相談できました。
提出しなくても配慮はあったかもしれません。
でも長男の場合は、明らかに話が早かった。
「配慮が必要な子」として認識されたことは、親として安心材料になりました。
そして、通級との出会い
私が子どもの頃、
支援学級は知的障害の子が入る場所、という認識でした。
担任から話を聞いたときも、
「知的はないし…」と一度は断っています。
でもスクールカウンセラーと話す中で、“通級”という選択肢を知りました。
そして、そのとき必要だったのがWISC。
我が家はすでに提出済み。
そのため、通常数か月〜半年かかるところを、2〜3か月で決まりました。
数年前に出した書類が、ここで効いてくるとは思ってもいませんでした。
今の長男は、通級で目に見えて成長しています。
本当に、通級さまさま。
あのときWISCを受けていなければ、このスピードでは進まなかったはずです。
ちなみに、担任は「通級」と言っていたのですが、馴染みがなかったもので「支援級」の話だと勘違いしていました。
知識がないとこういうことも起きてしまうのだな、と実感した出来事です。
変わったのは、長男ではなく「環境」
WISCは、子どもを変えるものではありません。
でも、
親の見方を変え、
家族の理解を変え、
学校との関係を変え、
支援への道を開いてくれました。
それが、私にとっての「WISCを受けたあと変わったこと」です。
受けてよかった。それしかありません。



